喉声 (のどごえ)とは、喉を詰めたような声のことです。

声は筋肉と違って、大声を張り上げることでは強くならない。むしろ壊れて出なくなります。

喉声は声帯を絞めようとしているので、醜い発音です。さらに、声を出すのに喉で頑張っているので、持続力もなく、喉を痛めることへもつながります。

プロになるには致命的な欠点ですから、早めに喉声は改善しておきましょう。

目次

喉声が改善しにくいワケ

喉声を改善するのが難しいのには、理由があります。

そもそも、日本語では喉の奥の空洞を使って発音する咽頭共鳴(いんとうきょうめい)を、あまり使わない言語だからです。

例えば、英語の母音は、喉を開いて、全体的に日本語よりも喉側で発声します。これは、喉の奥が振動するように発声している、咽頭共鳴を十分に行っているということです。

つまり、英語は喉の奥の空洞を使って響かせる発音ができないと、伝わらない言語ということになります。

しかし、日本語はそうではありません。

日本語は口先でペチャクチャしゃべる言語で、ぼそぼそしゃべっても言葉になって伝わるため、咽頭共鳴をあまり使わない言語なのです。

なので、そもそも日本人の多くは咽頭共鳴を使うことが苦手なんですね。

喉声が改善しているかどうかの判別方法

喉声を治す方法はいくつかありますし、ここでもそれらを紹介していきますが、喉声は簡単に治るものではありません。まずは自分の声を客観的に分析してみることが必要です。

録音してみる

例えば、自分の声を録音して聞いてみましょう。

高い音がキンキンして聞こえたり、裏返ったりかすれたりしていませんか。声が不安定で聞きづらいと感じたら喉声です。

喉仏を手でチェック

喉仏を指で触りながら、通常音程でアイウエオと発音してください。

通常音程の言葉を発声するときでも、喉仏がキュッと上にあがるようであれば喉声です。

※喉仏は男女問わずあります。もし、目立たない場合は、顎下の首に手をあてて唾液を飲み込んでみて下さい。上下に動く部分が、喉仏の場所です。

喉声の改善方法

咽頭共鳴さえつかめば、声帯は楽なところで発声できます。

さらに、レベル3まであがればプロとして使うのに耐えられる、響く強い声になり、長時間発声することが可能になります。

まず、腹式呼吸を見直そう

腹式呼吸はいわゆる呼吸法ですが、身体の深いところで「声の支え(声の芯)」を作るために、しっかり腹式呼吸を身につけていることが必要です。

つまり、横隔膜で「無駄に出て行かない状態」をつくり、呼吸のコントロールをすることで、喉で支える必要をなくし、喉締めするなどの無駄な力をなくすのです。

ただし、正しい腹式呼吸ができても、正しい「発声」になっていないことも多いですので、注意が必要です。

母音のア行で喉を開く

まずは、全身の力を抜いて体をリラックスさせましょう。

次に喉を大きく開けた状態で「アイウエオ」を言ってみます。

喉を大きく開けた状態がわかりにくければ、あくびをした時の喉の状態と思ってもらえれば結構です。

発声練習は、はじめは小さい声で行い、徐々に声を大きくしていきましょう。

スプーンを使ってみる

スプーンを使った治し方もあります。

やり方は、簡単にいうと、「スプーンを喉の奥に入れる。」だけです。

これだけ聞くと荒治療だと驚く人もいるかもしれませんが、だれにでもできて、しかも効果もある程度期待できる方法ですので、ぜひ試してみてください。

まずは、スプーンをもって鏡の前で声を出します。

口の中をのぞきながら「あー」と声を出してください。

この時、下を向いて口を開けると喉が見えませんから、正面を向いて行ってください。

暗くて口の中が見えない場合は、懐中電灯やペンライト等を口に当てた状態で声を出しましょう。

その時にスプーンで舌の奥のほうを押さえつけます。

続けて声を出してみると声の質の違いがでてくるのですが、自分の耳で声の違いを確認してみましょう。

声に奥行きが生まれて、まろやかな声になっていたら成功です。

スプーンで押さえつけた舌の位置ときれいな声を記憶しておいて、今後の参考にしていくことができます。

しかし、この方法を行っても喉声が治らなかったりきれいな声が出ないこともあります。

重ねて言いますが、喉声を治すのは非常に難しいのです。

まとめ

以上のように、喉声の癖を抜くことが難しいのは、日本語の特性上、仕方がないことです。

できれば専門家の指導を受けるのが望ましいですが、それができないという人は上記の方法を試すなりしながら自主練に励みましょう。

ちなみに、発声練習のときに比較的低い声を出すように意識すると喉声を改善しやすいのでよかったら試してみてください。