日本の文化とも言うべきアニメ、そしてアニメソングは日本だけでなく、世界中で愛されており、外国人が声優になりたくて、日本語を覚えてまで声優を目指すという人が出てきています。当然ながら日本人にも歌手になろうとしている人は多く存在し、レコード会社のオーディションには多くの人が参加することになります。こうしたオーディションで求められているのはどういう人なのか、そうしたニーズを知っておくことは今後において大きな意味をなします。

そもそもアニメソングは、昔から番組とセットで語られてきました。その歌がかかればどの番組だったかが瞬時にわかるくらいで、老若男女、見ていた時代や番組は違えど、こうしたことは誰もが経験しています。それくらい大事なものであることがわかります。

しかし、ここ最近は有名ミュージシャンなどが曲を書き、歌うせいか、この曲がどの番組の曲なのかわからないということも出てきています。アニメソングにあったドラマ性が消えてしまい、ただ単に主題歌としての意味合いしか見出せなくなってしまったため、以前に比べて曲と番組が一致しないという現象が増えてきました。レコード会社のオーディションでは、曲と番組を一致させるだけではなく、歌手と曲、そして番組が一緒に成長していくようなことをしていきたいと考え、それに合致する歌手を探すべく、オーディションが行われています。

有望な人材として求められているのは、メッセージ性のある人、ライブでお客さんと一体になれる人が挙げられます。メッセージ性のある人というのは、例えば歌い方などで元気や感動を伝えられる人などです。歌手によっては、自分のオリジナル曲ではなく、他人の曲を歌っているのにご本人を凌駕するような歌い方で多くの人を魅了するケースがあります。

私は強く歌うぞ、泣かせるぞという魂を、歌うことで表現できる人はなかなかおらず、こうした要素は歌手としては大事です。

ただ単にメロディ通りに歌い上げるのではなく、クセが強くてもこの人にしかできない歌い方があるという方が多くの人を感動させやすくなります。アニソンイベントなど、最近ではアニメだけで多くの人が一か所に集うような時代となっています。

また、各地で行われるフェスなどに呼ばれ、数千人、数万人の前で歌を披露することも増えてきました。目の前にいる人たちと一体になることができるというのは、それだけ強い気持ち、自信がなければ難しいです。オーディエンスに圧倒されている、緊張しまくっていることがお客さんにわかってしまえば、当然ながら、その気持ちは離れていきます。人が集まれば集まるほど気合が入るような人ほど、歌手としてはのびしろがあると言えるのです。

海外でも放送され、以前なら主題歌も吹き替えとなっていたところ、今ではそのまま海外でも放送されている時代となっています。ということは、日本だけで知られていた曲が全世界で知られることになり、その楽曲、その歌手のファンになる可能性も増えています。海外進出でチャンスをつかむことができるのは番組だけではなく、楽曲や歌手も同じなのです。もちろんどういった楽曲で抜擢するかにもよりますが、その歌手が持つポテンシャルと番組の面白さ、曲の素晴らしさがマッチした時の衝撃は想像するに難くありません。

こうした理想とは対照的に、やはりその人のポテンシャルをオーディションだけで見極めなければならず、審査員が判断するポイントもいくつかあります。声や表情、情熱、オーラなど様々ありますが、気を付けたいのはテクニックだけで勝負し、うまく歌おうとしてしまう人です。一般人が披露できるテクニックと、プロとなりレッスンなどで鍛えることのできるテクニックでは比べ物にならないほどの差が見られます。最初からテクニックで勝負してしまう人は成長にも限界があり、頭打ちの恐れが出てきます。

しかし、ポテンシャルで粗削りながらも歌を歌う人は、光るものを感じさせ、それを磨いていきたいと思わせるだけのオーラが出ています。紙やすりで今まで研磨してきた原石を、プロになればダイヤモンドで磨き上げることができます。

原石として、光れば多くの人をうっとりさせる宝石となると審査員に思わせる人であるかどうか、これが大事になります。声や表情、情熱、オーラはこうした原石を見極めるうえではなくてはならない要素なのです。

レコード会社の社員はこうしたオーディションは相当経験しており、様々な原石に出会ってきました。その原石を磨き上げた一方、中には全く輝かなかった人もいます。そうした経験から、どのような人が活躍するのかというのを身をもって経験しています。このような人たちにテクニックで勝負してもすぐにバレてしまうのは当然です。審査員にぶつかっていき、魂をぶつけて圧倒してやるという強い意識を持って歌い上げるような人であれば、多くの人を魅了することになるでしょう。