声を使う仕事をする人にとって肺活量を鍛えるのは重要なことです。なぜなら、実は肺活量と声量は密接に関係しているからです。長いセリフを言うのも、美しい声を出すのも肺活量がなくてはなしえないことなのです。

ここでは、そうした肺活量を鍛えるトレーニングを中心に紹介していきます。

そもそも、肺活量って何?

肺活量とは人が息を大きく吸い込んだあとに肺から吐き出せる空気量のことをいいます。

肺活量はmlの単位で表します。

肺活量は年齢や性別によっても違ってきますが、一般的には女性は3000~4000mlで男性は4000~4500mlといわれています。

性別、年齢、身長別に肺活量を求める方法は、18歳以上の成人の場合、男性は{27.63-(0.112×年齢)}×身長です。

女性は{21.78-(0.101×年齢)}×身長で求めます。

ちなみに男性のトップスポーツ選手は6000mlもあるそうです。

肺活量が多いということは、一度に吐く息の量が多いということですから長いセリフであっても、途中で切らずに一気に言うことが可能になります。

また、高い声や低い声、力強い声や柔らかい声等をだすにも肺活量がないことにはできません。

様々な場面を演じる必要に迫られる声優という職業柄、肺活量を鍛えることはもはや必須であるといえるでしょう。

ただし、肺活量のトレーニングをするには正しい姿勢で行うようにしてください。

注意すべきことは2点で、腹式呼吸で行うことと背筋を伸ばして行うことです。

美しい姿勢で最大の効果をあげられるよう、基本姿勢もあわせて意識していきましょう。

肺活量を上げるトレーニング方法

水泳やマラソンを取り入れたトレーニングがあります。

水泳やマラソンをすることによって、肺にたくさんの空気を吸い込んでまた吐き出すということが自然とできるようになります。

しかし、即効性はありませんので、長い期間続けなければそういった効果は見込めません

よって、個人でやるには時間とお金もかかりますが、トレーニングとしては非常に効率がいい方法です。

なぜなら、肺活量とあわせて体全体の筋肉を鍛えることもできるからです。

特に水泳は水圧の付加がかかるので体に無理な負担をかけずにトレーニングができます。

時間と手間をかけず、もっと手軽にトレーニングをしたいという人には、ペットボトルを使ったトレーニング方法がおすすめです。

ペットボトルを使ったトレーニング方法

5~2リットルの空のペットボトルを口にくわえて息を吸ったり吐いたりするものです。

唇でペットボトルの口を覆うようにくわえて息を吸い込むとペットボトルがつぶれますから、その後息を吐き出して元に戻すということを繰り返します。

これは、息を吐くより吸うことに重点を置いたトレーニング方法です。

大きめのペットボトルは上級者向けです。

肺活量に自信のない人は、小さくて、比較的柔らかめのペットボトルを選んではじめてみるのがいいかもしれません。

同じように風船を使ってもトレーニングができます。

風船を膨らませたことがある人ならおわかりいただけると思いますが、息が続かなくて途中で口を離してしまいますよね。

肺活量を鍛えれば一度で大きな風船を膨らませることができるようになります。

道具を使わないでできるトレーニング方法

風船やペットボトルを用意するのも面倒だという人には、道具を使わないでできるトレーニングもあります。

まず、思い切り息を吸い込みます。

息を吸い込んだ状態でしばらく息を止めます。

そうして、吸い込んだ息をすべて吐き切ってまた息を止めます。

これを何度か繰り返します。

コツは、自分ができる限界までたくさんの息を吸って、たくさんの息を吐くように努力することです。

しかし、無理は禁物ですから体調に気を付けながら行ってください。

意外と知らない肺活量の重要性

肺活量は声を使う人だけが気にすればいいというものでもなく、一般の人であっても肺活量が少ないというのは決して良いことではありません。

肺活量が少ないことが原因でなってしまう病気もあります。

例えば、気管支炎や喘息です。

子どものころにひどい喘息だったけれどスポーツをやるようになってから症状が改善したという話はよく聞きますが、肺活量と肺の病気は関連しています。

日頃から多くの息を肺に取り入れて吐き出せるようなトレーニングを意識してやっておきましょう。

また、肺活量は年齢を重ねるごとに少なくなっていきます。

例えば20代男性の平均は4415ml、20代女性は2985mlであるのに対して、40代男性は3968ml、40代女性は2851mlです。

50代となると、男性は3895mlで、女性が2603mlになります。

女性も少しずつ低下していっていますが、特に男性の肺活量の低下が著しいですね。

ただし、個人差もありますのでここでの数字は一つの目安にすぎません。

たばこを吸うことが肺活量を著しく低下させることはわかっています。

20歳を過ぎれば毎年肺活量は20ml低下するといわれていますが、喫煙者はその3倍の60mlが減っていきます。

声を使う仕事をする人は特に、たばこは控えるほうが良いかと思います。