役者やキャラクターが口にするセリフ。これを自由自在に操れる声優は、あなたが目指すべき目標かもしれませんね。

当たり前のことですが、声優が話すセリフは声だけですべてを表現しなければなりません。その登場人物が今まさに自然とその言葉を話しているように、感情を乗せていくのです。

ただ聞き手にその感情を届けるためには、基本となる声優としてのテクニックが必要。しっかりとした基礎を学び、その上にセリフの技術を上乗せしていくことが、声優としてのレベルを上げていくことになります。

目次

セリフを言う前に、まずは準備運動を

最初からセリフの練習をしたくなる気持ちは分かりますが、そこはグッと抑えて、まずは声優としての基礎を押さえていきましょう。セリフというのは、その登場人物の立場によって、日頃私たちが口にする慣れた言葉が多いこともあれば、アニメなどに特有の言い回しや単語が多用されていることもあります。まずは、それを聞き手に正確に届けるための練習をします。

セリフが上手い声優の話し方は、例外なく声がよく通っています。低い声、高い声もきちんと発声でき、かすれも無く、突然のセリフで声が裏返ることももちろんありません。それを可能としているのは、セリフを言う前に発声練習を行い、きちんと準備を整えているから。スポーツ選手だって、大会の本番前に入念に体をほぐし万全の態勢で挑みますよね。声優も同じです。あなたが声優を目指しているのなら、この準備運動は絶対に押さえておきたいポイントです。

簡単にできる発声法で、聞き取りやすい声に

セリフを聞き取りやすくするために、簡単にできる発声練習をご紹介しましょう。よく通る声に必要なのは、声の力と大きさ。これを習得すれば、力強いセリフも言いやすくなりますよね。

まずは背筋を伸ばしてまっすぐ立ち、頭のてっぺんから天井に向かって声が出ることをイメージして「あっ あっ あー」と言ってみましょう。発声するとともに両手を上げるのも良いですよ。体と首が伸びる感じで、声がどこまでも遠くに突き抜けることを想像して発声します。腹式呼吸を意識するとなお効果的です。息を吸う時にはお腹を膨らませ、発声する時はお腹をへこませます。

お腹の底から声を出すために、腹圧を意識した発声練習もしてみましょう。まっすぐに立ち、足は肩幅に広げます。手はみぞおちの前で合わせましょう。「はっ はっ はっ はっ」と発声する際、手のひらに力を入れ腹圧をかけます。壁を使用した練習方法もあります。壁の前にまっすぐに立ち、ひじをまげ、手のひらは壁に当てます。

発声する際、そのタイミングに合わせて壁を押しながら声を出します。どちらも息をしっかりを吸い、腹圧が高まり声に力が入ることを確認しながら行いましょう。腹圧が高められるようになると、意識して力まなくても大きな声が出る様になります。

大げさに!セリフに挑戦してみよう

ではいよいよセリフの練習に入っていきます。セリフはその役者になりきって話すことが大前提です。あなたがもしちょっとした恥じらいを感じているのなら、その感情はまず捨てましょう。セリフの練習では、「大げさかな?」と思うくらいがベスト。リアクションも大きく取りながら、大きめの声で感情をのせつつ演技をしましょう。

一つのセリフでも、登場人物に置かれた状況によってその気持ちは変わっていきます。例えば「こんにちは」。仲の良い友人に会い嬉しくなって声をかける時は、声のトーンも上がりますよね。逆に会いたくなかった人に偶然会ってしまって仕方なく挨拶する時は、早くその場を離れたい、という感情が入ってくるでしょう。

他にも、優しく子どもに話しかける場合、驚いてビックリしている場合、怒ってイライラしている場合、相手をからかってバカにしている場合…、色々な情景が考えられると思います。たとえ短いセリフでも、その感情によって言い方が変わり、相手の受け止め方も変わります。そのバリエーションを増やしていく練習をしましょう。また言いにくいセリフも、最初は「間違えないように」「噛まないように」と意識をせずにのびのびと練習しましょう。口に出していくうちに、スムーズに言える方になるはずです。

あなたが目指す声優がいるのなら、その人のセリフをぜひ真似してみましょう。声質などを真似するのではなく、幅広い表現方法を真似するのです。またアニメやドラマのセリフを真似するのもお勧めですよ。

まとめ

一つのセリフでも、声優の技術によって聞き手はそこから大きな想像力をかきたてられます。練習すればするほど、セリフの奥深さと難しさを実感すると思いますが、ぜひ諦めずに続けてください。練習を積み重ねることで確実にあなたの力は上がります。いつかあなたが声優の仕事としてのセリフを口にする日を夢見ながら、頑張っていきましょうね!