声優を志望する人間にとって、コネクションの有無や演技の練習、収入はどうなのかなど不安はつきないものです。とくに多い心配事として、「いったん社会人になってから目指すけど、こんな年齢で声優になれるのか」「何年も下積みしていたらデビューのきっかけを無くすのではないか」という声があります。

国家試験のように年齢制限のある仕事ではないものの、実際にどうかは確かに気になる点でしょう。昔は俳優や女優、役者というと必ずしも演劇学校出身者ではなく、ふらっと社会人経験者が業界に入って成功するパターンが数多くありました。声のお仕事も同様で、養成所に入ってデビューという「正規ルート」はむしろ少数派であった時代です。

しかし、現在は養成所のレベルも上がり、ある程度効率よく演技の基礎を身に付けることもできますし、メディアの発達によって声だけでなくビジュアルもある程度世間に見られるようになってきました。どうしても(とくに女性の場合)アイドル的な目線も存在するため、若い方がデビューの際に有利だという傾向は否めませんし、その後のキャリアを積むうえでも理想でしょう。

はっきりと志望が固まっているなら、なるべく早く声のプロになれるよう行動を起こすのが最善です。

とはいえ、「一定の年齢以上の人間は声優になれないのか」というとそうでもありません。他分野の芸能関係の仕事(グラビア、アイドル、舞台役者など)をしていた人間が転身してくるのはよくあることですし、営業や教職で「しゃべり」を鍛えていた人間も発声には一日の長があります。

声優しか知らない人間より話や演技に幅が出るということもあり、社会に出て様々な経験を積むのは決してマイナスとは言えないことがわかります。

とはいえもちろん演技の基礎はどこかで学ぶ必要がありますし、まったく演技と畑違いの仕事をしていれば同世代のライバルに差をつけられていることも事実です。

けっきょく、「声優になりたいなら若いうちのほうが有利。ただし、演技に関連した仕事であれば他業種を経験して戻ってくるのもあり」というところでしょう。

最近では養成所に通って中学生・高校生のうちにデビューする人も多いため、なかなか焦ってしまう志望者も多いことかと思います。しかし、演技は長く続けられる仕事だけにデビューだけを目的としないよう、しっかりと自分の希望と人生設計を考えたうえで声のお仕事に向き合うというのがおすすめです。