声優を志望する人にとって、正しい発声ができているかどうかは大変重要です。

どんなに優れた演技力でも、滑舌が悪かったりメリハリの無い声では、これから始まるであろう厳しいオーディションに勝ち抜くことはできません。

そこで今日は、良い声の出し方を理解しながら、正しい発声を学ぶためのポイントをいくつかまとめてみました。

目次

良い声を出すにはどうしたら良いか

「良い声」とはズバリ、音声が滑らかで声色にハリや響きがあり、尚且つ1つ1つの言葉がしっかりと聞き分けられることを言います。

良い声を出すコツとしては、「正しい発声」「正しい滑舌」「抑揚をつけた話し方」を習得することが基本ですが、これは腹式呼吸の技術を身に付けることで上達することが可能です。

特に、声優が活躍するアニメの世界においては、ウィスパーボイス(ささやくような声)や舌足らずの声なども必要となってきますが、これらも息の吐き方を操作するなど腹式呼吸のアレンジ版であり、日々の訓練によって聞きとりやすいささやき声や子供のような舌たらずな声を演技することができるようになります。

とはいえ、人それぞれ顔や体型が違うように、声帯の形によって人の声質もある程度は決まっており、話し方やトーンにもその人なりの個性や癖が多く見られますので、日頃からお手本にしたい人のしゃべり方(アナウンサーや俳優、声優)を真似るなどして、自分の持つ声の癖を治していくように心がけていきましょう。

ちなみに、声の高さを1オクターブ上げることで、声はより聞こえやすく届きやすくなることも分かっています。
友人ら周囲の人たちと話す時も、声の高さやトーンを意識しながら少しずつ治していくようにしましょう。

正しい発声練習法

正しい発声法を身に付けるためには、まずは腹式呼吸の習得が最大の近道と言われています。

腹式呼吸とは胸式呼吸に比べてより多くの酸素を身体に貯めこめる方法ですが、この腹式呼吸を身に付けることでお腹の底から声が出るようになり、なおかつ声のコントロールもお腹でできるようになるので、喉から出す声色に比べてメリハリのある発声ができるようになります。

やり方としては、まず肩の力を落として姿勢をしっかりと伸ばします。

その際、立ったままでも座っていてもどちらでも構いませんが、猫背にならないように背筋をまっすぐに伸ばしながら、息をゆっくりと最後まで吐いていきます。

すると、段々とお腹が凹んでいくと同時に腹部の筋肉が緊張で硬くなっていきますが、この緊張して収縮している部分こそが腹式呼吸で使われる筋肉であり、この呼吸法で鍛えるべき対象となります。

最後まで息を吐き続けたら、その状態から5秒ほど停止して、今度はゆっくりと息を吸いながらお腹を楽にしてあげるまでがワンセットとなります。

このセットを1日に5回から10回程度繰り返すことで、お腹の筋肉が鍛えられてきますので、慣れた頃からは息を吐く時に声を出して練習するようにしていきます。

最初は小声の状態から始めて段々と声を大きくしながら、急に小声に戻ったり大声に変えるなどの変化も取り入れて行くと、効果的な発声練習ができます。

注意点としては、息を吐く前の吸う段階で、息を貯め過ぎないようにすることや、無理に声を出しすぎないことが挙げられます。

無理をすると、ポリープや声帯結節と言った、声がかすれたり出にくくなるなどの病気になることがあるので、充分に注意して行うようにしてください。

更に効果を高めたり、声にアレンジしたい時は

基本の腹式呼吸が習得できるようになったら、今度は効果を更に高めるためにも、ハミングを取り入れたアレンジ法を取り入れていきましょう。

やり方としては、腹式呼吸の息を吐く時に、「ンーーーー」とハミングしながら鼻にその音をあてて行きます。

その際、鼻が震えてムズムズとしてきますが、これが共鳴と呼ばれる喉が開いた状態ですので、この感じが掴めたら「ンーーーー」の後に「アーーーー」と発声しながら長く息を吐くようにしてください。

また、声優に必要不可欠であるハイトーンや低音を思い通りに出すためのトレーニングとしては、腹式呼吸の際「ラッ、ラッ、ラッ、ラッ」とスタッカートで発音しながら息を吸い、今度は「ラーーーー」と伸ばしながら息を吐いていきます。

「ラーーーー」と息を吐く時には、高い音から低い音、低い音から高い音へと変化させながら、共鳴させるよう心がけてください。

ちなみに、高い音を出す際はお腹から出てきた空気が身体の中心を通り眉間から出て行く感じをイメージして行い、低い音を出す際は鼻から音を下げて胸から抜けるようなイメージで行うようにしましょう。

最後に、声に響きを持たせるための方法として、壁から1メートルほど離れた位置から「アーーーー」と声をぶつける練習を行ってみましょう。

こちらの練習で声が張るようになり慣れてきたら、壁からの位置を徐々に広げて最終的には10メートルほど離れた場所から行うことをおすすめします。

その際、壁との距離が離れれば離れるほど、たくさんの空気が必要だと実感できると、声を響かせるためのイメージがしやすくなります。

まとめ

誰しもトレーニングを積むことで、良い声を得ることは可能です。

しかし、言葉の1つ1つをハッキリと聞きとりやすく発声していくためには、思っている以上に体力を使うことにもつながります。
特に、声優には明瞭な発音が要求されますので、日頃から腹筋を鍛えて行くことが大切です。

また、遠くまで響く声を出すためには、喉や身体の柔軟性が必要となってくるため、首の回転運動やストレッチなどで血行を促進しながら身体を柔らかくしておきましょう。