フリーランス声優として活動するメリットとデメリットについて

多くの声優は芸能事務所やプロダクションに所属して活動していますが、その一方でフリーランスで活躍している声優も目立ちます。最近ですと、元プロダクション・エース所属の幸田夢波さんですね。

デビュー時は事務所に所属するにしても、その後はフリーランスの声優として活動していきたい、と考えている人は多いでしょう。

ここでは、事務所の役割やフリーランスとしての働き方、そのメリットとデメリットについて考えます。

事務所の役割とは?

声優になるための道は1つではなく、たくさんのルートがありますが、多くの人がまずは事務所に所属するところから始めます。
新人がクライアントから直接仕事をもらうということはまずありませんので、事務所に依頼された仕事を振り分けられて、活動するのです。

もしくは、事務所が「この声優を売り込みたい!」と考えれば、テレビ局やイベント会社へ営業をかけてくれます。他にも、事務所が本人に代わって行うものとして、

  • スケジュール管理
  • クライアントとのギャランティーの交渉
  • 請求業務などの事務作業
  • 交通や宿泊の手配

などがあります。

これらはパフォーマンスとは関係ないところにありますが、声優として活動する上で欠かせない業務です。また、トラブル対応やメンタルケアといった、活動に関しての全般的なサポートをします。

フリーランスになると?

フリーランスの声優になるということは、上記のような事務所の役割もすべて自分で行う必要が出てくるということ。

声優としての仕事をこなしながら、ギャラ交渉や書類作成などの事務作業も行わなければならないので、当然ながら大変です。スケジュール管理に関しては、もちろんダブルブッキングは避けなければなりませんし、今までは事務所が判断していた仕事の取捨選択も自分で行う必要がありますので、苦しい立場に立たされることもあるでしょう。

仕事を選ぶということは、自分の路線を確立する、つまり自己プロデュースをすることにつながるからです。事務所に所属していると、どのように売り込むかはある程度事務所が決めるので、これはNGだな、という仕事は事務所が断ってくれます。

フリーランスになると、その判断を自分でしなければなりません。

仕事は、受けるよりも断る方が大変です。フリーランスで声優活動をしたいなら、自分がどのような声優になりたいのか、自分の中で明確にしておく必要があります。

フリーランスのメリットは?

フリーランスになる最大のメリットは、自分のスケジュールが自分で把握できる、ということです。

事務所所属だと、仕事を受けたり割り振ったり、というものを事務所が行いますから、スケジュール管理は基本的に事務所が担当します。

仕事は「決定」だけではなく、もしかしたら仕事が入るかもしれないから空けておくという「キープ」の状態が多いです。つまり、3日キープしておいて実際に仕事が入るのは1日だけ、ということが多いので、あとの2日は仕事なしになります。

そういった予定の把握を自分でできると、プライベートの予定が立てやすいですし、声優以外の仕事のスケジュールも立てやすくなります。

スケジュールが組みやすくなるということは、自分のしたい仕事を入れることができるということでもあります。

仕事をこなしていくと、声優以外の仕事(例えば舞台など)のオファーがクライアントから直接持ちかけられることがあります。自分がやりたいと思っても、スケジュール的に厳しいと事務所からNGが出されてしまいますし、声優以外の仕事を良しとしない事務所もあります。

また、事務所判断で断られてしまう仕事もありますが、フリーランスならすべて自分で選ぶことができます。ただし前述したように、仕事は受けるよりも断る方が難しいのです。断ったら次はないんじゃないか、という恐れもありますし、あいつは仕事をえり好みする、というような悪印象をクライアントに与えかねないからです。

オファーが重なった時にどちらを選ぶかといったような判断や、次につながる仕事かどうかといった判断もすべて本人にかかっています。

フリーランスになるメリットとデメリットは、まさに表裏一体といえるでしょう。

一方、ギャランティーに関しては、事務所を挟まない分マージンが発生しませんから、クライアントの提示額をそのまま受け取れます。事務所の役割も自分でこなしているので、これは当然です。

フリーランスの声優になるためには?

声優に限らず、クリエイティブな職業や専門知識を売りにしている職業は、会社や事務所に所属せずにフリーランスに転向することが可能です。

ただし、その業界のことを何も知らずにいきなりフリーランスで活動するのはむちゃですので、まずはいずれかの組織に所属することが必要になります。事務所に所属して仕事をしていくうちに、業界の事情も分かってきますし、働き方やスケジュールの組み方も覚えます。コネクションもできるでしょう。

そういった準備ができて初めて、このまま事務所所属の声優として活動を続けるか、フリーランスになるかという選択ができるようになります。

そして自分がどちらのほうが向いているかどうかも、その頃にはある程度分かるようになっているのではないかと思います。

まとめ

上述したように、事務所所属にもフリーランスにも、どちらにもメリットとデメリットがあります。

どちらの方が自分のパフォーマンスをより満足いくものにできるのか、納得できる仕事ができるのか、といった点をよく考えて判断すると良いでしょう。