MCとは「Master of Ceremonies」の頭文字を取ったものです。

司会者とほとんど同義で、各種イベントやセレモニーの「仕切り」をする人物のことをいいます。そのイベントが成功するか否かはMCにかかっていると言っても過言ではないくらい、重要なポジションです。

では具体的にMCとはどのような仕事で、どうしたらMCになることができるのでしょうか?

目次

司会者とMCの違いって?

司会者とMCは、どちらもそのイベントのタイムスケジュールを管理し、人前で進行する仕事です。

敢えて異なる点を挙げるならば、司会者の進行の基本は書いてある言葉で行うこと

MCは、相手とコミュニケーションを取りながら進行をすることです。

もちろん、どちらも臨機応変なアドリブやウイットに富んだ対応といった、原稿通りではないその場その場に応じた進行が求められます。

あくまで主役は別の人物で、縁の下の力持ち的な役割を担っている点についても同じです。

ただし、バラエティー番組でタレントが行っているMCに関しては、多少意味合いが違ってくるようです。

番組やコーナーの進行を務める事に関しては同様なのですが、MC自身が主役のようなポジションである構成の番組も多く見受けられるので、この場合実際のMCの意味とは異なります。

また、歌手がコンサートであいさつやおしゃべりをすることを「MC」と言いますが、これは「Master of Concert」の略で、司会と同義のMCとは異なります。

ここでは、司会者とMCはほとんど同義のものとして取り扱います。

MCの重要性

MCは、実に様々な場所で活躍しています。

結婚式などの冠婚葬祭、記念式典、各種パーティー、トークショー、同窓会、講演会、セミナー、展示会、等々、ここには挙げきれないほど多くのイベントで必要とされています。

MCが不在のパーティーは、ただただ人が集まって飲み食いするだけの場になってしまい何の集まりだかさっぱりわからなくなってしまいますし、冠婚葬祭の式や記念式典は始める事すらできません。

講演会やセミナーも、MCがタイムテーブルをしっかり管理しないと予定通りに進ます、だらだらとしたメリハリのないものになってしまいます。

このように、MCが不在のイベントというものは考えられないくらい、重要な役割を担った仕事です。

また、MCはそのイベントにおいて、最も長い時間露出しているにもかかわらず、黒子のような存在でなければいけないのです。

つまり、存在はしっかり認識されながらも、目立ち過ぎてはいけません。

進行が滞って、「MCはどこ行ったの?」と思われてはいけませんが、参加者が「MCばっかり記憶に残っている」状態になってしまってもいけません。

終始補佐役に徹し、自然な流れでイベントを進行させる事が出来るのが、MCに求められるスキルです。

MCが心がけたいこと

イベントによって進行の仕方やタイムスケジュールの作り方は異なりますが、いずれのMCでも共通する心がけたい点があります。

  1. 主催者の意図をくんで、そのイベントに対するイメージを具体化させる。
  2. イベントにふさわしい雰囲気を作り上げる。
  3. ハプニングがあっても時間調整ができるような時間配分を考える。
  4. 常に全体に気を配り、引き立て役に徹する。
  5. わかりやすい言葉、聞き取りやすいスピードで、好感をもたれる話し方をする。
  6. その場にふさわしい服装をする。

特に、3はMCの力量が問われます。イベントにハプニングはつきもの。

適切に処理しつつ、進行を止めずに、いかにスムーズに進めるかは、MCの腕の見せ所です。

そのためには、当日までの事前準備がものを言います。

準備がしっかりできていれば気持ちにも余裕が持てますから、何らかのアクシデントがあっても落ち着いて対応できます。MC業には、何はなくても事前準備が大切です。

MCになるにはどうしたらいい?

MC業を仕事にしたいと考えている人は、まずはどんなMCになりたいのかを考えましょう。

結婚式などの冠婚葬祭系なのか、講演会やセミナーといった企業系なのか、トークショーや映画の試写会などのイベント系なのか・・・

まず、結婚式などのMCがしたいのであれば、アナウンサーやナレーター、司会業の勉強ができる学校に行って、基礎を学ぶことから始めるのが良いと思います。

実績のある学校だと、登録制の司会者事務所がスカウトに来ることもありますので、チャンスに恵まれれば仕事につながるのも早いです。

ただし、そういった機会が巡って来ないことの方が多いですから、学校で基礎を学んだら、司会者事務所のオーディションを受け、籍を置いて仕事をもらうというのが具体的なルートでしょう。

学校に通わなくてもそれなりに経験を積んでいて自信があるというのであれば、直接事務所に問い合わせしてオーディションを受けることができるかもしれませんし、登録した事務所に養成所があればそこに通ってスキルを磨いてもいいでしょう。

冠婚葬祭だけでなく、講演会やセミナーのMCも、同様のルートで仕事につながっていくことが多いです。

ただし、「あなた」の評価ではなく登録した「事務所」の評価になりますから、名指しで仕事がもらえるようになるのはよっぽど優れているか、個性的(もろ刃の剣でもあります)でないと難しいでしょう。

イベント系のMCがしたいならば、タレント事務所や声優/ナレーター事務所に籍を置く方が、チャンスは多く来るようです。
この場合ももちろん、基礎の勉強やトレーニングは必須です。

最後に

MCの種類は違えども、身に付けたい基本は共通しています。

一方で、同様にMCと呼ばれても、シーンによって求められるタイプは異なります。自分がどんなMC業をしたいのかがわかれば、どうしたら目指すMCになれるのかが具体的になってくるはずです。