日本語における標準語と共通語の違い

アニメ・外画・ナレーションも、なるべく共通語で話すのが基本です。

ここでは、ごちゃに使いがちな標準語と共通語とは、何なのか考えてみたいと思います。

標準語と共通語

共通語は現実であり、標準語は理想である。共通語は自然の状態であり、標準語は人為的につくられるものである。したがって、共通語はゆるい規範であり、標準語はきびしい規範である。言いかえれば、共通語は現実のコミュニケーションの手段であるが、標準語はその言語の価値を高めるためのものである。

— 国語学会編『国語学大辞典』東京堂出版

ただ、第二次世界大戦後の学制改革(1948年)で教育勅語が廃止され、日本で標準語という概念が消失し公式的にもないので、現在は共通語という概念しかないことになります。

その共通語を番組で使っているとされるのが、NHKです。

第11項 表現
1 わかりやすい表現を用い、正しいことばの普及につとめる。
2 放送のことばは、原則として、共通語によるものとし、必要により方言を用いる。

・引用:NHK「国内番組基準」

つまり、アクセント辞典で学ぶ音声表現は、標準語ではなく、共通語ということになるのです。

日本語の発音について

共通語の定義がわかったところで、日本語の発音における、音の強さ、大きさ、速さなどの声の調子を決めている、4つの音律的特徴をつかみましょう。

※日本語ネイティブを対象にしているので、無自覚に持って話している「1文字=1拍」という拍感覚は除外しています。

アクセント

単語の意味を高低で区別する。

また、語音の組み合わせにより、単語や文節の区切りを示してわかりやすくするため変化することもある。

日本語アクセントの法則@頭高型・中高型・尾高型・平板型

イントネーション

話し手の感情意図や気持ちによって、変化する。

イントネーションとは?アクセントとの違いや方言で違う理由

強調

強調とは、言語表現のある一部を特に目立つようにすることです。代表的なものは、プロミネンスとインテンシティーです。

プロミネンス

最も重要な点として普通以上に強く高くしたり、弱く低くしたり発音すること。

このプロミネンスを文のどこに置くかでも、文全体の意味が変わります。

例文

:プロミネンスの場所

昨日沖縄へ行きました
他の誰でもなく、『私』を強調する。
私は沖縄へ行きました
一昨日や一月前ではなく、『昨日』を強調する。
私は昨日行きました
他のどこでもなく、『沖縄』を強調する。
私は昨日沖縄へ
他の行動をとったのではなく『行った』ことを強調する。

インテンシティー

ある語の意味を強めたりすること。

例文
甘~い
『甘い』を強調する。
スッゴイ
促音を添えて『凄い』を強調する。

ポーズ

文と文の間、文の内部において、音の流れに置かれる切れ目(ポーズ)のこと。特に朗読で使いますね。

聞き手に対して期待・緊張・不安などを抱かせ、感情や気持ちの揺れを生き生きと表現する効果がある。

ただ、ポーズが長すぎると間が抜けたり、短すぎると効果も薄くなるので、ちょうどいいあんばいにすることが大切になる。

例文

aは『聞いた』の主語は葵ちゃん、bは『聞いた』の主語は葵ちゃん以外の人になる。

葵ちゃんが (間) 海に行ったと聞いた
葵ちゃんが海に行った (間) と聞いた

cは『たくさんの柿の木』、d『たくさんの実』の意味になる。

たくさんの (間) 実を付けた柿の木
たくさんの実を付けた (間) 柿の木

共通語で話せない原因は?

4つの音律的特徴を紹介しましたが、共通語と方言に大きな違いを生んでいるのは、主にアクセントとイントネーションのズレです。

理由は、その土地の人々の会話で使われてきて、その土地で定着しているアクセントやイントネーションがあるからです。

アクセントとイントネーションのどちらがおかしくても似非(エセ)に聞こえてしまう要因になるので、意味を厳密に把握した上で共通語の発音を学んでいってくださいね。

イントネーションとは?アクセントとの違いや方言で違う理由