「CS」と「BS」という言葉は今では普通に使われていて、それぞれの放送チャンネルを視聴している人は多くいることでしょう。しかし、この2つの言葉の違いを述べることをできる人は、そう多くはいないのではないでしょうか?

私はナレーションの仕事でお世話になっているのに判りませんでした。。。

そんな「CS」と「BS」の違いについて、まとめておきますね。

CSとBSの違いとは?

この2つはどちらも人工衛星を利用した衛星放送のことを指しています。

基本的にはどちらも地上から送信された電波を人工衛星に搭載された電波中継機で周波数を変換し、パワーアップして地上に送り返された電波を利用して放送されています。どちらの言葉も存在していなかった時代には「衛星放送」と呼ばれていましたが、地上デジタル化の促進が始まった頃に言い分けられるようになったとされています。

この2つは元々異なる目的で打ち上げられた人工衛星でした。

BS
「ブロードキャストサテライト」を略した言葉で、日本語に訳すと「放送衛星」のことになります。
CS
「コミュニケーションサテライト」を略した言葉で、日本語に訳すと「通信衛星」のことになります。

BSが大衆向けなものに対して、CSは当初の目的としては企業や専門業者など、国から許可を得た機関だけが受信できたというものでしたが、1989年に放送法が改正されたために一般向けの放送がされるようになりました。

そして当初は離島や山間部といったような人口が少ない地域での難視聴地域の解消を方針とすることを目的としていましたが、地上波放送ではできないような専門性の高い番組を提供するなど、チャンネルの数を増やすという目的へと方針が転換されていきました。

特色の違い

衛星放送の番組の違いについては、BS放送にはデジタル放送とアナログ放送があり、2000年以降にデジタル放送が追加されたという形になりましたが、高精細度テレビジョン放送を中心にデータ放送やラジオ放送も同時に放送されています。ドラマやニュース、スポーツなど地上波と同じ総合編成の番組が多いです。

それに対して、CSは100社以上の放送業者がこの放送と契約していて専門のチャンネルを公開しています。1日中映画を放映するというような形で放送がされていることが多くあります。映画だけではなくスポーツや音楽、釣りや料理といったようなそれぞれに特化した専門的なチャンネルが多く放送されているということが大きな特徴となります。

チャンネル数の違い

それぞれのチャンネル数の違いについては、BSは全部で14チャンネルあり、CSに至っては現在約360チャンネルほどに膨れ上がっていると言われています。

その2つの受信方法の違いについては、地上デジタル化が完了する以前はそれぞれに別のアンテナが必要でしたが、2009年にその2つの放送を一般的に広く普及させることを目的としてアンテナが一本化されました。

別のアンテナが必要だったというのは、アナログの時代には静止衛星軌道上の位置がそれぞれ異なっていたことで偏波も異なっていたために、それぞれの方角に対応したアンテナを向けて調整する必要があったということだったのですが、アンテナが一本化されたというのは、デジタル用に東経110度の方向に打ち上げられた人工衛星が、静止衛星軌道上の位置や偏波がほぼ同じ方角に飛んでいるということで同じアンテナでの受信が可能となったということです。

しかしアンテナの複数化の問題が解消されてもテレビ側にチューナーを設置しなければ衛星放送を視聴することができないことは知っておきましょう。

現在発売されている「デジタル対応」と銘打っているアンテナはその2つに対応しているものがほとんどですし、チューナーもこの2つと地上波に対応しているものがほとんどです。

ただし現在アナログを視聴している人がデジタルを視聴するためには、デジタル対応のアンテナとチューナーに取り換える必要があります。

また、現在アナログ放送を視聴している人はアンテナはそのままのものが使えますが、チューナーはデジタル対応のものに取り換える必要があります。

視聴料金の違い

その2つの視聴料金の違いについては、BSの民間放送各社の放送は基本的に無料で視聴することができますが、受信契約が必要なチャンネルについては有料になるものがほとんどになります。

CS放送はアンテナとチューナーを設置しただけでは視聴することができず、放送を配信することを提供している会社と契約をする必要があります。そのために基本的な視聴料金が発生することになります。

デジタルCS放送では民間放送各社でも有料放送を行っている番組があります。契約や視聴するための料金は配信各社でプランが異なるので比較することは難しいのですが、それぞれの会社からお得なプランや魅力的なプランが打ち出されています。

まとめ

それぞれの違いを理解した上でどのような放送が自分に合っているのかということや、プランをどれにしようか迷った時にまず気をつけるべきことは『自宅の環境』のことです。

アンテナを取り付けることができないというような制約のある場所がありますので注意が必要です。