朗読する際に、地の文とセリフを読む必要があります。地の文とは、セリフ以外の文章のことです。セリフは感情を込めて読めても地の文は苦手という人もいるのではないでしょうか。そこで、今回は地の文を上手に読むコツについてまとめました。

朗読は芝居ではないということを理解しよう

朗読はあくまでも朗読です。声優さんや俳優さんがセリフを読んで感情を表現する芝居とはまた違っています。なので、セリフを読んでいる際も、登場人物に感情移入しすぎないことが大切です。したがって、登場人物になりきってセリフを読む必要はありません。あくまでも第三者がセリフを言っているくらいの感覚で問題ないのです。演じるのではなく、真似るといった表現の仕方が適切でしょう。登場人物に近づくことができれば、そのものでなくても十分に朗読として意味を為すのです。

とはいえ、誰がどのセリフを言っているのかは、正確に伝えなければいけません。小説には地の文がなく、セリフだけが続くこともしばしばあります。そんなときに聞いている側が混乱しないように、登場人物を演じ分けることが大切です。例えば、若い人なら高い声で話し、年配者なら低い声で話すといった方法もあります。

時々テレビ番組では、芸能人が絵本や子供向けの作品の朗読をしていることもあります。有名な俳優さん方が行っているだけあって、かなりお上手です。なので、どんな風に演じたらいいのかわからないときは、そういった番組を参考にするのもいいでしょう。実践だけでなく、上手い人が朗読しているところを聞くのも立派な勉強方法です。

地の文を上手に読む方法とは?

基本的に地の文とは、登場人物が何を考えているか、どんな動きをしているかなどが書かれる説明文であることも多いです。なので、地の文を読むときは感情を入れて読むのではなく、誰が聞いてもわかりやすいように丁寧に読む必要があります。

とはいえ、感情を入れなさすぎてもよくありません。セリフだけをしっかり呼んでも、地の文が棒読みになってしまっては、おかしな朗読になってしまいます。誰でもない人を演じるのは難しいと思ってしまいますが、演じるのではなく物語の雰囲気に合わせて本を読むのがベストです。明るくて楽しい物語なら、楽しそうな声で読み、悲しくて暗い物語なら、声を低くして読むといった方法で読むべきです。

また、聞き手には、地の文とセリフが違うということも理解してもらわなくてはいけません。全て同じに聞こえてしまうと、聞き手側も疲れてしまうからです。地の文とセリフが違うということを認識させるためには、それなりのテクニックが必要です。なので、はじめからセリフを演じないようにしてしまうと、何がなんだかわからなくなってしまうかもしれません。そういったことを防ぐためにも、はじめのうちは登場人物のセリフを演じ分けるのもありでしょう。たくさん声に出して練習することで、上達していきます。

早口にならないように注意しよう

朗読の練習を始めたばかりだと、上手に読むことに夢中になってしまい、早口になってしまう可能性があります。早口になってしまうと、何を言っているのか聞き取れませんので、意識してゆっくり読むことを心がけてください。

句読点があるところで区切ろうと思うかもしれませんが、場合によっては長すぎることがあります。句読点は一つの目安ですが、読んでいてちょっと長いなと感じたら、自分のリズムで区切るのもテクニックの一つです。意識するべきことが多すぎて、こんがらがってしまいそうですが、ゆっくり一つずつ目標をクリアしていくようにしましょう。

実際に自分で聞いてみよう

地の文やセリフを上手に朗読するためには、たくさん練習することが大切です。たとえ最初は下手でも、回数を重ねていくごとに、上達していくものです。とはいえ、やみくもに練習しているうちは上達しているかわからないものです。なので、録音機材があれば、それを使って録音するのがおすすめです。なくても、スマホのアプリで録音機材が手には入りますので、それを使ってみましょう。

録音することによって、自分がどんな風に演じているのか理解することができます。自分では、上手に読めていると思ったものの、実際に聞いてみるとそうではないといったことがあるかもしれません。また、毎回録音していると、一回目に比べると上達しているはずなのです。少しずつではありますが、練習していると必ず上手になっていきます。いきなり人に聞かせて恥ずかしい思いをするよりも、こういった身近なものを使って一人で練習する方法はいくらでもあります。最初は照れくさいと感じてしまいますが、朗読するスキルをあげていくためにも、やってみてください。