演技の基本は「ものまね」とよく言われます。そしてこの「まねる」ということには2つの大切な要素があるのです。

外側をまねる

1つは見た目などの外側をまねること。もうひとつは内側の心をまねることです。

外側をまねることは見た目や身体の動き、声色など、誰が見ても分かりやすく、自分でも成果が分かりやすいので、ついつい気を取られがちになります。

内側の心をまねる

ですが、内側の「心」のものまねも忘れないようにしましょう。

人が何か行動を起す時は、まず何かを心で感じ、行動に移しています。セリフも行動も「心」があってから出てくるものなのです。

声優に必要な表現力を鍛えるには

文章を相手に伝えるためには表現力を鍛える必要があります。

まずは、一つの言葉をいろんな場面を想像して言ってみましょう。

例えば「おはよう」という単語1つでも、どんな気持ちで「おはよう」と言うのでしょうか。

親近感を持って「おはよう」と言うのと、怒りながら「おはよう」というのでは、かなり言い方が変わってきますよね。

恨みを持って言ってみたり、呆れながら、驚きながら、落胆しながら、と色んな場面を想像して、たくさんの「おはよう」を言ってみてください。

次に演技をする距離感を考えましょう。

教室で隣の席の子に「おはよう」と言うのと、教室の窓から校庭にいる子に「おはよう」というのでは2人の間の距離が違いますよね。

近くにいる人への「おはよう」遠くにいる人への「おはよう」後ろにいる人への「おはよう」など、相手がどこにいるのかを考えて「おはよう」を言ってみてください。

この距離感は演技をする上でかなり重要です

よく「相手に届いていない」なんて言われたりしますが、セリフは相手に届いて初めて効力を発揮するのです。

では今度はその「おはよう」を言うキャラクターを考えて見ましょう。

その人は学生でしょうか?主婦でしょうか?

それとも八百屋さんでしょうか?ひとつ、簡単に職業を設定します。

次に、設定してた職業のキャラクターは、どんな性格の人物なのか考えて見ましょう。

明るいのか、人見知りなのか、おっとりしているのかなど特徴を想像してみてください。

次に、そのキャラクターの過去や経歴を想像してみましょう。

小さい頃から勉強ばかりさせられてきたとか、勉強よりもスポーツが得意だったとか、兄弟は何人いるとか想像できましたか?

そうしたら次に、そのキャラクターが周囲と、どんな風に付き合う人物なのか想像しましょう。

とても細やかな気配りをする人なのか、それとも傲慢なタイプなのか、それとも余り周りとは関わらないタイプでしょうか?

これまで考えてきたキャラクターの職業、性格、過去、周りとの関わり方が想像できましたね。

そのキャラクターはどんな「おはよう」を言うでしょうか?

これまでのことを踏まえて、自分の想像したキャラクター、そのキャラクターの「おはよう」を言うときの気持ち、「おはよう」を言う相手、全てを想像して「おはよう」と言ってみましょう。

声優には個性が必要?必要ない?

個性は造るものではなく、造られるものです。

独特のセリフの言い回しや抜群の間の取り方など、どんなに「まねても」最終的には出るのが、あなたの個性です。

それを磨いて強烈な印象を残せるようにしてください。

そして、声優に求められる個性は、キャラクターを活かす声優としての特徴であって、イメージを殺してしまう特徴でないことを忘れないでくださいね