カ行・サ行・タ行・ナ行・ハ行・マ行・ヤ行・ラ行・ワ行の発音練習しましょう。

滑舌練習でポイントとなるのは、発音しにくい音をきれいに発音出来るようにすることです。

人によって苦手なものの違いはありますが、サ行・ラ行・鼻濁音無声化の発音が上手く出来ない人が多いように思われます。

目次

子音の効果的な練習方法

カ行・サ行・タ行・ナ行・ハ行・マ行・ヤ行・ラ行・ワ行をキレイに発音できない方は、『そもそも母音の発音がおかしい』ということが多いです。

まず、苦手な行を練習する前に「あ・い・う・え・お」を、まず徹底的に練習してください。

母音をきちんと変化させよう!

北原白秋「五十音(あめんぼの歌)」で滑舌の練習しよう!

カ行の発音

「カ行」は舌先の真ん中の部分が上顎に触れることで発音されます。

舌の接触が甘い場合は不明瞭な発音になるので注意して下さい。

カ行の滑舌トレーニング

カ行の滑舌を良くする早口言葉です。

神田鍛冶町の角の乾物屋の勝栗(かちぐり)買ったが、固くて噛めない。返しに行ったら、勘兵衛のかみさんが帰ってきて、癇癪(かんしゃく)起こして、カリカリ噛んだら、カリカリ噛めた。
菊桐菊桐三菊桐、合わせて菊桐六菊桐。
くりくり坊主が栗食って、くりくり舞をくりかえし、くるりと庫裏(くり)へくり込んだ。
怪我負け、怪我勝ち、大怪我、小怪我。
子卵大卵、大卵子卵。

サ行の発音

「サ行」は上の歯と下の歯が近づいて、その歯と歯と間のすき間から出る摩擦音によって発音されます。

舌を歯茎の裏につけて、少し強めの息を出して発音しましょう。

また歯並びが悪いとキレイなサ行は発音できません。歯医者さんで歯のかみ合わせを治す必要が出てきます。

 

サ行の滑舌トレーニング

サ行の滑舌を良くする早口言葉です。

桜咲く桜の山の桜花、咲く桜あり、散る桜あり。
信州信濃渋井村、新家(しんけ)の重(しげ)さんの尻に虱(しらみ)が四匹(しひき)しがみついて死んでいた。
住吉のすみに雀が巣をくって、巣早すずめの巣立ちするらん。
浅草寺(せんそうじ)の千手観音、専念千日千篇(せんじつせんぺん)拝んで、千束町(せんぞくちょう)で煎餅買って千食べた。
そんじょそこらのそばかす小僧が、そちをそしって逃げたとしても、そちはそれほど、そっと堪(こら)えてそしらぬ顔とは感心だ。

タ行の発音

「タ行」は舌の先が上顎の前の方、

上の歯の裏の歯茎辺りに触れることで発音されます。

例外として「ち」の音だけは舌先が歯茎に触れませんので、注意しましょう。

 

タ行の滑舌トレーニング

タ行の滑舌を良くする早口言葉です。

この竹垣に竹立てかけたのは、竹たてかけたかったから、竹立てかけたのです。
茶たばこのんでたばこ茶のむ、茶たばこたばこ茶々たばこ、のむ。
つるてんつるてんはぎわらてん、破れた前だれあててんてん、夏は寒天心太、島島弁天(とうとうべんてん)手をうちゃ合点、一天合中六天(いってんがっちゅうろくてん)、それで私のもとでこてん。
テレピン油(ゆ)を掌にたらして手と手でもんでおてんてんへつけて見ろ。
とてちてた、とてちて、とてちて、とてちてた、おっと踊った。とんつつ、とんつつ、ととんつつ、どんたく踊りをおどろうぞ。

ナ行の発音

「ナ行」は舌の先だけでなく、舌の前のほうの部分が、上顎に触れることで発音されます。

でも触れている時間が長いとのっぺりした不明瞭な音になるので、できるだけ早く上顎から離すことが必要になります。

 

ナ行の滑舌トレーニング

ナ行の滑舌を良くする早口言葉です。

長持の上に、生米、生麦、生卵。なた豆七粒生米七粒、七粒なた豆、七粒生米。
二条の西の洞院、西入人形屋の二階で、鶏が二羽、西向いて逃げた。
盗人と濡衣担い、悩みぬぐえず、七日七晩(なぬかななばん)泣きぬれる。
年々ふえる年祖捻出、なんとかならぬか泣言ならべた。

ハ行の発音

「ハ行」は母音を発音する前に、息だけを出す音が足されて発音されます。

腹式呼吸がしっかりできていないと、息の勢いが足らずに発音できなかったり、息が漏れたような不明瞭な音になってしまうので、腹式呼吸を意識して発音しましょう。

 

ハ行の滑舌トレーニング

ハ行の滑舌を良くする早口言葉です。

パイプの火の不始末から火花ふいて、本家分家を灰にした。
蛙ひょこひょこ三ひょこひょこ、四ひょこひょこ、五ひょこひょこ、六ひょこひょこ、七ひょこひょこ、八ひょこひょこ、九ひょこひょこ、十ひょこひょこ。
武具馬具、武具馬具、三武具馬具。合わせて武具馬具六武具馬具。
家の牛(べ)こはよい牛こ、隣の牛(べ)こはよい牛こ、向こうの牛(べ)こはよい牛こ、三つあわせて三よい三牛(べ)こ。
坊主の貧乏、非常にふびんと坊主と坊主の父母が、奉仕と募金。

マ行の発音

「マ行」はくちびるを完全に閉じた状態から母音を発音します。

口を完全に閉じることが出来ずに、上の歯と下くちびるで発音しないように注意しましょう。

 

マ行の滑舌トレーニング

マ行の滑舌を良くする早口言葉です。

青巻紙赤巻紙黄巻紙 、黄巻紙赤巻紙青巻紙 、長巻紙に赤巻紙。
猫が拝みゃがる、犬が拝みゃがる、馬が拝みゃがる。
麦ごみ麦ごみ三麦ごみ、合わせて麦ごみ六麦ごみ。
ちょっと流し目したら、目くじら立てて怒られて、ひどい目に会った。
すももも桃もう熟れたから、もう売れよう。

ヤ行の発音

「ヤ行」は「い」を発音した後に母音を足すことで発音されています。

このとき「い」の発音時間が長いと不自然に聞こえるので、注意が必要です。

ヤ行の滑舌トレーニング

ヤ行の滑舌を良くする早口言葉です。

おやおや、八百屋さん、お綾は親とお湯屋(ゆや)よ。
湯河原に遊びに行って夕月を眺めたら、愉快になった。
居合(いあい)の用意はよいな。用意はいいよ。よいよい。やあやあ、いよいよ居合をやるぞ。

ラ行の発音

「ラ行」は舌を上方向に丸めて、上歯茎の裏に一瞬だけ接触させ、素早く離すことで発音される音です。

舌を出来るだけ短い時間でやや強めに接触するようにしてみましょう。

 

このとき、舌の引きが弱いとキレイなラ行が発音出来ません。

ラ行は舌を引くイメージを持って練習してみましょう。

 

 

ラ行が苦手ならタンドリング!

ラ行の滑舌トレーニング

ラ行の滑舌を良くする早口言葉です。

ラクダに乗るのは楽だろうか苦だろうか そりゃこちらは楽だがラクダは苦だろう。
瓜売りが瓜売りに出て、瓜売れず売り売り帰る、瓜売りの声。
虎をとるなら、虎をとるより鳥をおとりに虎をとれ。
冷蔵庫から、冷凍料理を出してこいと言ったら、冷蔵庫から冷凍料理を出さないで、冷蔵庫からビール出してラッパのみした。
とろろ芋をとる苦労より とろろ芋からとろっとするとろろ汁をとる苦労。

ワ行の発音

「ワ行」は「う」と発音した後に母音を母音を足すことで発音されています。

平安時代の末から鎌倉時代の最初くらいまでは、「わゐうゑを」の発音は区別されていたそうですが、現在では「わ」だけが使われ、その他の「ゐ・う・ゑ・を」は「い・う・え・お」と発音することになっています。

ワ行の滑舌トレーニング

ワ行の滑舌を良くする早口言葉です。

わらえば笑え、わらわは、笑われるいわれはないわえ。
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